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エコツーリズムコラム  
- Ecotourism Article -

第6回 エコツーリズム施設の開発 - 30.MAR.2008

 
メルボルンをベースに日本人向けツアー会社を運営している、GOGOTOURSの上田 豪です。
前回は、エコツーリズムと文化との融合・共生をテーマについてお話しました。
今回は自然との融合・共生にも関わってくる環境に配慮したエコツーリズム施設の開発についてお話します。

エコツーリズム施設の運営者は、その施設建設前から、環境へ与えるあらゆるダメージを想定し、環境保護に努めなくてはなりません。
また、環境保護を重視するあまりに建設費用が非常に高くなってしまったり、施設利用者に負担がかかるような事は避けなくてはなりません。

施設を建設計画する時に、まず環境影響アセスメント( Environmental Impact Assessment - EIA ) を行わなくてはなりません。
オーストラリアでは、各自治体・州・準州によって環境アセスメントの実施が求められる時があります。
施設を建設するにあたって、運営者は直接的要因は言うまでもなく、間接的な環境への影響も考えなくてはなりません。
間接的な環境への影響というと、例えば、施設建設に利用する建材を海外から輸入する場合、
その建材が伐採された地域への環境ダメージも考慮する必要があります。
アセスメントは非常に多岐に渡って調べる必要がありますが、キーワードは『自然との共生』です。
いかに自然に影響を与えないようにするか、いかに自然に溶け込むような施設をつくれるかです。

施設から環境へ与える一番大きな要因が、排水・廃棄物です。
廃棄物に関しては、3R`s ( Reduce‐削減, Reuse‐再利用, Recycle‐リサイクル )を徹底する事です。
順番で言うと、削減、再利用、リサイクルとなります。リサイクルには、再加工・運送等にエネルギー費用がかかるので、
削減・再利用が理想的な排水・廃棄物の処理方法です。
オーストラリアは日本と違い水資源が少なく、水資源の保護、排水には特に気をつける必要があります。
水の使用量削減方法としては、雨水のリサイクル、二重式トイレ(大小別に使用量が異なる)、節水用シャワーヘッド利用等があります。

最近ホテルに宿泊するとよく見かけるのが、タオルやシーツなどのリネンを毎日取り替えるのではなく、
宿泊客の必要に応じて取り替えるという方法です。
これによりホテルは、タオルやシーツのリネンを洗濯するための電気代・水道代・洗剤・労働力を節約できるばかりでなく、環境保護にも繋がります。
ホテルでの使いかけの石鹸を宿泊客に持って帰るようにすすめているホテルもあります(私もやっています)。

現在ある地形を変えずに、そのまま利用する事を考える必要もあります。
例えば、公共交通手段が必要であれば、新しく建設するのではなく、既存の公共交通アクセスポイント近くに施設を建設する事も考えます。
また、施設のガーデンを建設する際は、その地域特有の植物を利用する必要があります。
そうする事により、施設の景観も違和感がなくなり、環境への影響も最小限に抑える事ができます。
その地域への環境ダメージが大きい場合は、計画そのものを破棄する場合もあります。

施設で利用する電気は極力持続可能なエネルギー(Sustainable Energy)、風力・太陽光・水力・地熱等を利用する事です。
しかし、これらの代替エネルギーは初期費用が高く、環境への影響もあるため、専門家による意見を求める事も大切です。

ほとんどの人が、環境保護にはお金がかかると思っていますが、実際は通常のコストより安くですむ場合も多いのです。
このような活動は、環境保護にも努めているという施設のイメージアップにもつながります。

エコツーリズム最先端のオーストラリアでも、環境保護に努めている施設は少数派です。
また個人では、どの施設が本当の意味での環境保護に努めながら、施設を運営しているか、判断が難しいです。
下記のホームページからは、ある一定の基準を満たした国内のエコツーリズム施設(ホテル・ロッジ・B&B)のリストが確認できます。

Eco Directory - www.ecodirectory.com.au
Eco Tourism Australia - www.ecotourism.org.au/

次回は、私の本業でもある現在のエコツアーオペレーター事情についてお話したいと思います。
 

 

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