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エコツーリズムコラム  
- Ecotourism Article -

第5回 エコツーリズムと文化との融合・共生 - 21.JAN.2008

 
メルボルンをベースに日本人向けツアー会社を運営している、GOGOTOURSの上田 豪です。
前回は、エコツーリズムと自然との融合・共生をテーマについてお話しましたが、今回はエコツーリズムと文化との融合・共生をテーマとしてお話します。

そもそも「文化」とはどのような意味でしょうか。
「文化」とは民族や社会の風習・伝統・思考方法・価値観などの総称で、世代を通じて伝承されていくものを意味します。
オーストラリアでは、アボリジニ先住民の文化がこの代表となるでしょう。

過去にオーストラリアは、Stolen Generation(盗まれた世代)という言葉がある様に、
欧米文化に強制的にアボリジニ先住民を組み込もうとしたこともあります。
しかし、アボリジニ先住民の風習・伝統・思考方法・価値観を欧米文化に変えさせるという方法は失敗に終わりました。
そのため、近年ではその様な特異な文化を変えさせるのではなく、お互いの文化を尊重し、融合・共生という考え方が少しずつですが出てきました。

欧米文化が持ち込んだオーストラリアの社会にアボリジニ先住民が溶け込むのは、他の地域を見て分かる様に
容易ではありません。現在のアボリジニ先住民の失業率は、オーストラリアの非先住民とくらべて3倍の高さになっています。
しかも国内の先住民の人口も増えており、オーストラリア政府は早急の対応を迫られています。
そしてエコツーリズムが、この異文化の融合・共生に一役買えることができるのではないかと思います。

ニューサウスウェールズ州南西のブロークンヒル近くに位置するMutawintji National Park(ムートウィンギー国立公園)では、
アボリジニ先住民と非先住民の関係が非常にうまくいっている例が見られる所の一つです。
現在このMutawintji National Parkの自由土地保有権は、地元のアボリジニ先住民コミュニティーが保有しており、
オーストラリア政府に対して貸し出している状態となっています。
ここでは、地元アボリジニ先住民が主導となって、ガイドの養成・認定を行っています。
また非アボリジニのツアーオペレーターと提携し、現地にて下請けのアボリジニガイドを雇う契約を結んでいます。

この例の様に成功している所もありますが、現状ではこの様な成功例は少数派です。
全く違う異文化が融合・共生を目指してツアーを作りあげるのですから、当然難しい作業となります。
まずは、お互いの文化をよく分析し、その中から共通項を見つけ(アボリジニは何が見せられるのか、旅行者は何が見たいのか等)、
それをうまくツアーに反映させて行くべきかと思います。
そしてお互いの文化とは単にアボリジニ先住民とオーストラリアの文化だけでなく、お客様として海外から来られる旅行者のバックグランド(文化)も考慮する必要があるかと思います。

次回は、エコツーリズムと自然との融合・共生にも関わってくる環境に配慮したエコツーリズムの施設の開発についてお話致します。
 

 

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