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エコツーリズムコラム  
- Ecotourism Article -

第4回 エコツーリズムと自然・文化との融合・共生 - 02.DEC.2007

 
メルボルンをベースに日本人向けツアー会社を運営している、GOGOTOURSの上田 豪です。
前回は、エコツーリスト(消費者)についてお話しましたが、今回はエコツアーと自然や文化との融合・共生をテーマにお話します。

まずは、エコツアーと自然環境の融合・共生についてお話します。
エコツアー会社にとって、いかに自然環境への影響を最小限に抑えるかが最大の目的となります。
現段階では、エコツアーと自然環境との完全な融合・共生を達成している事例はないかと思います。

自然環境への影響を考慮する場によく使われる言葉が、『carrying capacity』 適正収容力です。
元々は農場経営者が使う言葉で、ある一定の面積内で可能な生産量を表すのに使用されています。
エコツーリズムの場合、ある一定の場所での状態を悪化させずに収容できる旅行者数のことを示します。

carrying capacityを考える際に、自然環境への影響を及ぼす要因というものがあります。
一つには、その特定地域を訪れる旅行者数、旅行者が訪れる頻度・時期等が挙げられます。
沢山の旅行者が一度に同じ場所に訪れるより、少人数の旅行者が1年を通して平均的に訪れる方が、自然環境に与える影響は少ないと言われています。
これはその地域に訪れる入場者数を規制する事により、ある程度の管理は可能です。

例えば、一昨年にオープンしたビクトリア州・西海岸のグレートオーシャンウォークと呼ばれる全長91kmのトレッキングコースでは、
1泊以上するハイカーの入場者数を規制しています。トレッキングコース上にあるキャンプサイトは、すべて有料・予約制となっており、
国立公園を管理するパークス・ビクトリアに4週間前以上に予約しなくてはなりません。
これによりパークス・ビクトリアは、このトレッキングコースを歩くハイカーの数を管理でき、
常時何人までと決められた数のハイカーを1年を通して管理できるようになっています。

その他の要因としては、その地域の地形・地質が挙げられます。
例えば、ハイカーが歩く道が、歩くことによって侵食され易い土壌の場合は、何らかの対策を考えなくてはなりません。
先に挙げた入場者数を規制する事も一つの方法ですし、ハイカーと土壌の直接のコンタクトをなくす為に、ボードウォークを作るのも一つのアイデアです。
ボードウォークもその地域の自然環境によっては作らない方が良い時もあります。それは、例えば動物達が通る道をボードウォークを作る事によってその道を遮ってしまうケース等が考えられます。
ですから、carrying capacityのためにボードウォークを作る場合は、その地域の特性を熟慮する必要があります。

では、建造物の宿泊施設と、テントを張るキャンプとではどちらが自然環境に悪いでしょうか?
実はテントを張るキャンプの方が、建造物の宿泊施設より自然環境には悪い場合が多いのです。
これはどういゆうことかというと、キャンプでは整備されたトイレがないので、その付近でトレイを済ませる人が多く、これは
人数が増えるにしたがって深刻な自然被害をもたらします。またキャンプでは火を使う場合が多く、火の不始末による山火事のリスクも非常に高いです。
山火事で植物が再生する場合もあますが、人的な要因によって起こされた山火事は自然環境に悪影響を与えます。

この様に人工的なツアーと自然環境の融合・共生は、いろいろな要因が絡んでくるため非常に難しいです。
まずは、その特定地域の綿密なアセスメントが必要でしょう。

それでは、次回はこのエコツアーと自然環境の融合・共生を文化の視点で見てみます。
 

 

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